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平成29年(2017年)度後期の連続テレビ小説「わろてんか」で、ヒロインに決定し、今熱い注目を集めている葵わかな。最新作は、漫画家タナカカツキのコミックを、気鋭、小林啓一監督がメガホンをとって実写映画化した『逆光の頃』。京都の街を舞台に、高校2年生の少年の揺れ動く心や青春の輝きを描く本作でヒロインを演じる葵が、この作品と役どころを通して感じたこと、そして京都の魅力についてたっぷり語ってくれた。

私にとって新鮮かつ大きな作品になりました

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――今作は、「コップのフチ子」の企画・原案や「バカドリル」などで知られる漫画家タナカカツキのコミックの実写映画化となる。全12編から構成されており、日常と非日常、夢と現実、双方の世界を行き来する少年のゆらめきときらめきが、京都の街を背景に鮮やかに紡ぎ出され、その叙情性が高く評価された名作だ。監督・脚本を務めたのは、『ももいろそらを』が第24回東京国際映画祭の日本映画・ある視点部門で作品賞、『ぼんとリンちゃん』は日本映画監督協会新人賞を受賞した小林啓一監督。今回は「僕は歪んだ瓦の上で」「銀河系星電気」「金の糸」の3編とオリジナル部分を映画化する。葵は、日本映画界期待の気鋭監督の撮影現場を「贅沢で貴重な経験でした」と振り返る。

「監督が、カメラや照明など全てやるんです。初めて現場に行った時にビックリして、「監督が全部やるんですか?」って聞いたら、「そうだよ」ってさらりとおっしゃって(笑)。アシスタントさんもいらっしゃいますが、監督が基本すべての作業を担当されているので、1日に撮れるのは1シーンが限界でした。監督は1シーンごとにこだわりを持たれていたので、細かい部分を修正したり、当日話し合いながら撮影をしました」

――監督の熱意は、映像や芝居のリズム感へのこだわり、テイク数の多さなどからも伝わってくる。

「ワンカット長回しが多い作品でしたが、監督は映像の光にすごくこだわっていて、お芝居のリズムが少しでも崩れるとNGでした。お話自体大きな起伏があるわけではない、何気ない日常のシーンがメインとなる中、だからこそ隅々まで見えてしまうところがあると。方言もそうですけど、キャラクター同士のテンポ感など、監督がとにかくこだわっていらして、こんなにテイクを重ねたことがないというぐらいやりました。3月に撮影したものを9月に再撮したこともあります(笑)。私の撮影は昨年の3月と9月と10月だったんですけど、高杉(真宙)さんと清水(尋也)さんはその前の年の3月からやっていたみたいで。そう思うと2年かかっているんです。一ヶ月で撮るつもりが2年かかってしまったっておっしゃっていました(笑)」

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――京都に生まれ育った高校生たちの物語ゆえ、方言も大事な要素だった。

「言葉稽古はクランクイン前から始め、映画の撮影中もクランクアップの前日までやっていました。監督は、私たちに本当の京都の子になってほしいと思っていたんだと思います。そうじゃないとどこかでばれてしまう、と。方言指導の方が京都の方で、その先生によると、東京の人は言葉が走っていて、すごく早口みたいです。また、これは京都弁のイントネーションだけど、もうちょっと伸ばすよねとか言葉と言葉の間にあるコンマ何秒の間がとても難しくて、京都の人じゃないとわからない感覚だなって思いました。そういうところを指摘されても、私自身は実感がないので、回数を重ねるしかなかった。でも、言葉稽古を重ねて、撮影していくうち、今のはちょっと言葉が走ってしまったなとか、自分でもわかるようになっていきました」

――演じるのは、主人公の高校二年生、赤田孝豊の幼なじみで、彼の初恋の少女、みこと。葵にとって、この役自体とても難しかったという。

「原作があると映像化する上でアレンジをすることが多いと思うんですけど、今作では監督の思い入れが強く、原作をそのまま映像化したかったんだと思います。台本の最後にも原作が入っていて、それを見ながらこの角度のこのポーズでこの顔をしてほしいというリクエストがあり、それがとても難しくて。原作のタナカ先生も主人公も、そして監督も男性で、男性から見た女の子像がとても神聖なイメージなんです。女子からしたら現実味がない女子像なんですけど(笑)、そこのギャップがとても難しかったです。生身の人間が演じる上でのリアル感や現実味が出てしまうところを、監督は極限までなくしたかったんだと思います。監督がイメージするみこと像から一歩でも、指爪ぐらいでも出たらアウトになってしまう。でも、私は私が演じる以上、私らしさを出したいと思っていました。私の癖も混じったみことを見せたいと思ったんですけど、最初は枠から出るのが怖くて、出ないように、出ないように意識していて。このままだと私でなくてもいいんじゃない?って思い始めたとき、「よし、じゃあ、ギリギリ出るか、出ないかのラインで攻めてみよう!」と決心して、私らしいみことをやってみようと思いました」

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――そうして、自分らしさを出していくように意識したことで、苦戦していたことが嘘のように上手くいきはじめたという。

「昨年3月に撮ったシーンはだいだい上手くいかなくて(笑)、すごくテイクを重ねたんです。バトミントンをやっていたみことが、赤田くんのいる教室に羽を取りに行くシーンは3月に撮ったんですけど、再撮になって9月に撮り直し。英単語を覚えている赤田くんに「何個おぼえたん?」って話しかけて、「まだ1個」って返事が返ってきたら笑うシーンなんですけど、監督はその笑う間もすごく厳しくて、一回わけがわからなくなったんですけど(笑)、受け身じゃなくて攻めの姿勢になったら上手くいきました。あと、青もみじが茂る道を「赤田くーん」って駆け寄っていって会話をするシーンも。特にこのふたつは気持ち良くできて印象に残っています」

――この作品では監督、キャストが本当に一丸となって、一体感を持って撮影できたと語る葵。彼女にとって、新鮮かつ大きな経験となったようだ。

「監督や赤田くん役の高杉さん、方言指導の方とリハーサルやディスカッションを重ねて撮影に挑んだので、一緒に作品を作らせてもらえてるように日々感じられて、とても楽しかったです。製作する人、演じる人って分けられる感じではなくて、一緒に作っている感じをすごく味わえて、新鮮な体験でした。監督がすごくチーム感を大事にされていて、人数も少なかったので、みんなで撮影後にご飯を食べに行ったのも楽しかったです。高杉さんも私も漫画、アニメが好きなので、そういう話を熱烈に語り(笑)、私が好きなものを高杉さんに勧めたり、監督に勧めたり。高杉さんも私も、二人ともオタク同士だけど読んでいるジャンルが違うので、みんなで本屋さんに行って、監督に「これは絶対読むべきです」って熱く語りました(笑)。趣味の話であんなに盛り上がれたことが今まであまりなくて、すごく楽しかったなあ。それに混じってお芝居の話を聞けたこと、自分で話したこともとても貴重でした。私はお芝居の話を人にしたことがなかったんですけど、お芝居について自分以外の人の考えを知れたことが大きいです。それはみことを演じる上でも発見が多くて。自分がお芝居ってこうだって思っていたものがそうじゃなかった。自分が考えていた、お芝居の概念を破らないとみこと役はできませんでしたから。破るまではすごく悩んだけど、破るきっかけをしつこく演出する監督が与えてくれて(笑)、気付かざるを得なかったです。それだけ時間をかけてやらせてもらえたので、こういう演出もあるんだって。作品自体は大きな起伏がなくてとりとめのない話だと思いますが、私にとっては衝撃的というか、すごく大きな作品になりました」

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――この作品をきっかけに、京都がますます好きになったという。

「もともと和柄やお抹茶が好きなので、京都も大好きでした。この作品で京都に一ヶ月半ぐらい行っていたんですけど、撮影自体はとてもゆったりとしたスケジュールだったので、京都の街をよく歩いていました。古い町並みが残っていて、ゆったりとした空気が京都らしさだなって、ますます好きになりました。ちょうど撮影時の去年は本厄だったので、八坂神社は有名だし、ちょうど京都にいたので厄払いもしました。9月ぐらいだったのであと少しで今年が終わるなって思いながら(笑)。お寺にも行ったし、すごく充実していました。最近も撮影で京都に行く機会が多いんですけど、そうそう、これこれって。京都のこの時間の流れに帰ってきたなあって」

――現在、NHK連続テレビ小説「わろてんか」の撮影に全力投球中。京都に生まれ育ったヒロインを再び演じている。

「「わろてんか」の役も京都弁で、京都好きな私としてはとっても幸せなこと。また、この映画でやったことがいきていると実感中です。京都の言葉もですが、『逆光の頃』で撮影に行った場所にまた行ったりしていて、すべての経験がつながっていると感じます。あのときは大変だったけど、みっちりやっておいて良かったなあって(笑)。これからの長い撮影で壁にぶつかったりするかもしれませんが、今はただ何も考えず、やるだけやってみようと思っています」


Writing:杉嶋未来

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(C)タナカカツキ/講談社・2017 東映ビデオ/マイケルギオン

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『逆光の頃』

公開中!


伝統が息づき、国内外から大勢の観光客が訪れる京都で生まれ育った赤田孝豊(高杉真宙)は、どこにでもいそうな高校2年生。将来への漠然とした不安を抱きつつ、思春期真っ盛りの同級生たちとの日常や、幼なじみのみこと(葵わかな)へのひそかな恋などを経験しながら、少しずつ成長していく。

▼公式サイト
http://gyakko.com/


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