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一青妙のエッセイをベースに、一青妙&窈姉妹とガンで他界した母親との絆を綴る家族愛の物語『ママ、ごはんまだ?』が映画化される。木南晴夏が演じる主人公・妙の妹・窈を演じたのは藤本泉。実在する著名人を演じるという挑戦を終えた彼女に、その役作りの難しさややりがいについて聞いた。

演じる瞬間には、ご本人のことは忘れていました

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――『ママ、ごはんまだ?』は、長女・妙の視点で語られる家族の物語。台本を読んだ藤本は、次女の窈をどう捉え、どのように演じようと思ったのだろうか。

「父親が早くに亡くなって、母親と姉妹が3人で暮している関係のなかで、私が演じる役は姉に比べて甘えん坊なところとか、姉と母の関係を無意識に観察してうまくその間に入っていく感じとかが、妹らしいなと思いました。私自身、姉がいるので、そういう妹的な要素はつかみやすかったです。登場シーンとしては学生時代が多かったので、可愛らしさや、元気な妹っぽさを大事にしました。あとは母や姉との仲良し感ですね。監督も一緒に、4人でいつもコミュニケーションをとっていたので、家族の距離の近さみたいなものは出せた気がします」

――その明るく元気な妹が、一度だけ感情を爆発させる。それは、突然死んでしまった母がガンだったことを後から知らされて、号泣しながら姉を責めるシーンだ。

「台本にあまり細かいことが書かれていなかったので、単純に疑問がわいて、まず監督に質問したシーンでした。その後、一青窈さんの本を読むと、母親の死を突然知らされる衝撃みたいなものは、やっぱりずいぶんと尾を引いたようでした」

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――彼女が演じる人物は、2002年のデビュー曲「もらい泣き」や「ハナミズキ」が大ヒットした、歌手の一青窈。

「『どうしたらいいんだろう?』という漠然としたところから入って、原作にあたる一青妙さんの本、私が演じる一青窈さんの本や詩集などを読み漁って、どういう方なのかを研究し、胸が締め付けられるような歌詞から両親を早くに亡くしたお二人の心境を想像しました。撮影前にちょうど、一青窈さんが映画の舞台挨拶で歌われる機会がありまして、そこでナマの歌を聴かせていただきました。そのときに、飾らない美しさをもった自然体な方だな、と感じたので、そういう雰囲気は出せたらいいなと思いました。とはいえ、実在する方を私が演じるにあたり、ものまねや完全コピーが求められてはいないと思いましたし、私がこの一青窈という名前の女の子を演じることで生まれるものがすべてだと思ったので、演じる瞬間にはご本人のことは忘れていました」

――撮影前に、一青窈本人と会話する機会はなかったという。

「お姉さんの一青妙さんが現場に見学にいらっしゃったときに、『一青窈さんって、ふだん、変装とかする方なんですか?』と質問しました。というのも、この映画ですでに歌手として有名になった窈さんがお姉さんと金沢駅を歩くシーンがあるので、人前だとどういう感じなのかな? と思って。妙さんから『変装なんてしないよ全然! 普通普通!』とお聞きしたので、『有名になってもまったく人目を気にしない人』として演じました」

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――とはいえ、そのシーンでの藤本が演じる窈のストールをなびかせる歩き方や、サインを求められたときのこなれた対応からは、売れっ子歌手としての自信が伝わってくる。短いながらも印象的なシーンだった。

「そのあたりは仕草や雰囲気の出し方で有名人であることを表現できるよう意識しました。実は、あのシーンのコーディネートは衣装合わせのときにかなり話し合ったものなんです。〈大人になった一青窈さんの普段着〉に対して、監督と衣装さん、私のもっているイメージがそれぞれに違っていて。『これだ!』と合致したのがあのコートとストールでした」

――本作の大きな魅力のひとつが、料理上手な母親が作る台湾家庭料理の数々だ。ちまき、豚足、お弁当など多彩な料理は、辻調理師専門学校のスタッフによるもの。彼女が豚足にむしゃぶりつくシーンは必見だ。

「匂いが画面を通じて伝わってきて、見終わったあとにその料理を食べたくなるような、ごはんがおいしそうな映画は個人的にも大好きです。台湾の家庭料理なので、調理の手順を見ているだけでも楽しかったですし、目の前においしそうな料理がいっぱい並んでいる現場は幸せでした。しかも、食べるシーンもけっこう多くて満足しちゃいました(笑)。ちまきをつくるシーンで画面に映っている〈完成したちまき〉は、キャストが練習を兼ねて作ったものなんですよ。あと、調理する前の豚足は衝撃的でした。ピンク色の豚の足は映画においても衝撃的な映像ですが、現場にも衝撃が走っていました(笑)。豚足も含め、映画に出てくる料理を食事休憩のときに出していただいて、みんなで食べたことも、現場の一体感につながっていたと思います」

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――母親の手料理のレシピを発見したことで、母の味の記憶が蘇り、長女・妙は亡き父親の故郷である台湾へルーツを辿る旅に出る。台湾ロケの話になると、心から悔しそうな妹の顔に。

「私だけ台湾に行けなかったんですよ! 3回くらい『私も行かせてください!』とお願いしたんですけど、私の役には台湾でのシーンがないからダメだと却下されました。当たり前ですけど…(笑)! できあがった映画を見て、ますます台湾に行ってみたくなりました」

――完成した作品を観て改めて感じたのは「家族の話」ということ。

「台本を読んでいるときも、現場でお芝居をしているときも、私は自分の役のことばかり考えていたんですけど、出来上がった映画を観たら、河合美智子さんが演じる母親の背中や、料理に込めた愛情がものすごく印象的でした。これは一青家のお話ではありますが、どんな人が観ても、それぞれのお母さんが頭に浮かぶ映画になっていると思います」

――回想シーンと現在のシーンにおいて、20歳の幅のある役を演じることにもやりがいを感じたという。

「年齢もそうですが、自分にとって〈幅〉のある役は、とてもやりがいがあります。年齢でいえば実年齢と離れた役もできるように準備したいですし、役柄の幅も広げたいし、作品のスパイスになる役もメインもやれる幅のある役者になりたいし……やりたいことばっかりです(笑)。これからも〈幅〉をキーワードに、貪欲にやっていきたいです」


Writing:須永貴子

インフォメーション

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(C)一青妙/講談社 (C)2016「ママ、ごはんまだ?」製作委員会

MOVIE

『ママ、ごはんまだ?』

2月4日(土)より石川県先行ロードショー、2月11日(土)より角川シネマ新宿ほか全国順次ロードショー!


台湾人の父と日本人の母、妹と四人で暮らした懐かしい家で見つけた赤い小箱には、料理上手だった亡き母の台湾料理のレシピが入っていた。そこから、家族の記憶が、母の手料理とともに蘇る。一青妙によるエッセイ「私の箱子」「ママ、ごはんまだ?」をベースに、母から娘への愛情や、家族の絆を描く。主題歌は一青窈の「空音」。

▼公式サイト
http://www.mama-gohanmada.com/


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