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2012年11月26日更新

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現在、大河ドラマ「平清盛」や「大奥~誕生 有功・家光篇」に出演中の窪田正孝。デビューから主演を多く務める一方で、ストーリーにスパイスを与える人物として、重要な役を担ってきた。着実に演技の幅を広げ、見るものを惹きつける存在感を増している。最新出演映画「ふがいない僕は空を見た」では、バイトをしながら痴呆症の祖母と暮らす高校生を演じている。表と裏の顔。誰もが持つ行き場のない思いを抱えたその演技に注目したい。

言葉で感じる以上に映像からその先の光を感じてほしい

── 今作のテーマは「性」と「生」。男女の性だけではなく、妊娠、出産という生きることへの「生」にもつながる大きなテーマと向き合った作品だ。また、貧しい生活に耐えながらも生きていかなくてはならないという「生」もある。そのパートを演じるのが窪田だ。

「母が出て行ってしまい、痴呆症の祖母を抱え、借金取りに追われながらもバイトをして暮らしている。選択肢のない境遇にある福田を演じるのは難しくもあり、それがまた演じがいがあるというか……。逃げようと思えば祖母を置いて出ていくこともできたはずなのに、苦しみから逃げずにいる強さに福田の魅力を感じました。まだ高校生なのに、クラスメイトよりも少し大人びているというか、落ち着いているんですよね。クラスのムードメーカーで女の子にもモテる友人の卓巳がまぶしく見えて、友達なのに嫉妬からある行動に出てしまうんです」

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── 福田からは輝いて見えた卓巳にも、学校では見せない裏の顔があったわけですよね。それが、不妊に悩む主婦との関係。アニメのコスプレをしての情事がなぜか、ネットに上がって学校でも瞬く間に広がってしまう。

「誰からも気軽に声をかけられ、女の子から告白されて……。うらやましいと思っていた卓巳にも誰にも言えないことがあったんですよね。でも、その傷を深くするようなことを福田はやってしまう。表面では仲よくしていても、影では……。そういうのって、誰もが経験していることのような気がします」

── 友達なのに、あることをきっかけにその人が知らない場所で悪口を言う。中学や高校生の頃に、そんな経験をした人もいるだろう。軽い気持ちであっても、誰かを傷つける。ひとりの人間の中にもさまざまな感情が渦巻く様が描かれている印象的なシーンがある。

「同じ団地に住むあくつと、卓巳がコスプレをしている写真を学校や近所にばらまくんです。福田にとってマイナスなことだし、友達に対して残酷なことですよね。でも、笑いながら写真をばらまくシーンは、同じ境遇のあくつとの共同作業に喜びを感じ二人にとっては楽しい時間なんです。人って、弱くて強い。残酷で美しい。そんな色々な面を持っているということが表現できたんじゃないかと思っています」

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── 福田を演じるうえで、それぞれ相手との距離の取り方には苦労したという。

「クランクインは、卓巳とのシーンで今後の展開をふまえてどう演じようかかなり悩みました。それ以上に、あくつとのコンビニでのシーンが難しく6回ほどやり直したんです。タナダ監督は『もう一回やってみよう』というだけで、具体的なことは話さないんです。お互い目で会話をしていました。監督は僕を信じて次に何か新しいものが生まれるかもしれないと、何度かチャンスをくれたのかなと思っています。たったひと言だけなのですが、大事なシーンとなりました。その成果(?)はぜひ、劇場で確かめてください」

── 今作で主人公・卓巳を務めた永山さんとは同い年。同じシーンは少なかったものの、お互い刺激しあい、いいライバル関係だったよう。

「僕も永山くんも人見知りで、どう話しかけようか……と悩んでいたんです。でも、リハーサル前に、即興で軽く芝居をしてみてと言われてそこで緊張がほぐれましたね。卓巳と福田という関係ではなく、お酒飲むの?みたいなたわいもない会話からはいれたので。撮影中は、共通の趣味であるバイクの話や、まあ、男同士がするようなくだらない話をしていました。永山くんは、『里美とのシーンをどう演じたらいいだろう』と悩んでいましたが、完成した作品を見てくやしいくらいいい演技だったので、すぐにメールをしたんです。ストレートに『くやしかった』って。そうしたら永山くんからも『俺も福田を演じてみたかった。くやしい』とメールがきて…」

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── 友人であっても、家族であってもその人の本当の姿はわからないもの。誰もがもつ表と裏、光と闇。そんな裏の姿をのぞき見しているような生々しさがある作品であり、生きることは挫折や痛みを感じるけれど、それでも前に進まなければ、生きなきゃ仕方ない。そんな思いにさせられる。

「高校生が中心の物語ですが、年齢問わずに、心に抱えている不安や悩みを共有できる作品だと思います。エンドロールが流れて、劇場にあかりがついたとき、心にじんわりくるものを感じてくれたら嬉しいです。背中をポンと強くおすのではなく、ちょっと頑張ってみようかなとか、遠くに希望の光が薄っすら見える。そんな気持ちが映像から伝わってくると思います」

── 映画のタイトルにもあり、劇中でも何度となく出てくる空。どんな時に見上げてしまうか、聞いてみた。

「ふだんから空を見るのが好きですね。電車とか乗り物に乗っているときは、つい見上げてしまいます。そらというか、雲が好きなんです! あれは犬の形に見えるとか似ているものを探すのも好きだし、ぼーっと眺めているのもいい。あの向こうには何があるのかなと考えるのも楽しくて」

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── 大河ドラマをはじめ、忙しい日々が続く窪田。ひとつの作品を撮り終えた瞬間が好きだという。

「福田にとって生きることは、食べることだと思うのですが、僕にとって生きていると感じるのはやはり仕事をしているとき。そして、最後のシーンが終わり、『お疲れさまでした』とメイクを落とす瞬間、達成感を覚えます。もちろん、次への課題もできるわけですが…」

── そして、今、新たに挑戦中なのが、男女が逆転した『大奥』。

「簡単に言っちゃうと女たらしの色男(笑)。女性からモテる役なので、どうしたらモテるか仕草を研究してのぞみました。話が進んでいくと、堺雅人さん演じる有功とライバルのような関係にもなっていきます。平清盛で演じた重盛とは正反対な役どころなので、楽しみながら演じています。ぜひチェックしてください」

Writing:岩淵美樹

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INFORMATION

MOVIE

「ふがいない僕は空を見た」

11月17日テアトル新宿ほか全国ロードショー

2011年本屋大賞2位、2010本の雑誌が選ぶベスト10の1位に選ばれ、第24回山本周五郎賞を受賞した窪美澄の小説を映画化。助産院を営む母子家庭で育った高校生・卓巳(永山絢斗)と、アニメのコスプレに興じながらも不妊治療に悩む主婦・里美(田畑智子)の物語を軸に“性”と“生”を描く。痴呆症の祖母と団地で暮らす卓巳の友達・福田を窪田が演じている。貧しい生活のなかで生き抜いていく内に秘めた強さを窪田が好演。


▼公式サイト
http://www.fugainaiboku.com/

MOVIE

TBS系ドラマ「大奥 ~誕生~[有功・家光篇]」

毎週金曜22:00~

▼公式サイト
http://www.tbs.co.jp/ohoku2012/

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