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2012年8月10日更新

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真鍋昌平の原作コミック『闇金ウシジマくん』が、ドラマ化に続き、映画化される。主人公のウシジマを演じるのは、もちろん山田孝之。そして、ウシジマを利用しようと画策する、野心家の青年役に林遣都が挑戦している。公開を前に、出演作が続く2人へのインタビューを行った。

「爽快感のない立ち回りは、初めての挑戦でした」(山田孝之)

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── ドラマに続いての映画化ですが、参加するときの心境、完成作を観ての感想などを聞かせてください。

山田「同じ時間の中で、違う出来事が同時多発して、それがクロスするという原作の作りを、ドラマは30分という短い枠を利用してスピード感のあるものにしていて。映画はそのスピード感を残しつつ、スクリーンだからこそ成立する、長い間とか、ものすごい引きの画とかが追加されていて素晴らしかったなと思います。」

「僕は、映画への出演が決まってから原作を読みました。ダークなお話が好きなんですけど、映画化されることで、現実世界では自分が経験する勇気のないことを体験できることが嬉しかったです。ただの好奇心なんですけど(笑)。純というキャラクターで、ウシジマという恐ろしい人物と戦うポジションで出られたことで、いろいろな経験ができて良かったです。」

── カウカウファイナンスの社長・ウシジマの役作りに関しては、山田さんは完成した状態で入っていますよね?

山田「もちろん、ドラマのときに作り上げたものへの自信がありますし、それを崩しちゃいけないという気持ちももちろんあったので、台詞の言い方や立ち居振る舞いは感覚を取り戻すだけでした。ただ、今回ほどのガッツリとした立ち回りはドラマではなかったので、いろいろと考えました。普通の立ち回りは、強い方と弱い方、格好いい方とかっこ悪い方、という役割があるけれど、ウシジマと肉蝮(新井浩文)の場合は両方とも不気味で強くてどうなるかがわからない、という見せ方がすごく難しかったです。アクションにつきものの爽快感がない。自分にとっては初めての挑戦でした。」

── アクション指導の方とディスカッションしながら?

山田「そうですね。『クローズZERO』2作と、『十三人の刺客』で一緒だった、ゴクゥというアクションチームだったので、自分の意向も伝えましたし、言わなくても汲み取ってくれた部分もありました。それは言葉にするなら、無駄のない、機械的な動き。スッと来たら、スッと避ける。一回一回、動きが止まる。そこから次の動きをみんなで考える。なかなか体幹を必要とする動きなんですよ。それが難しくて、けっこう何回もやりながら固めていきました。」

「ウシジマと肉蝮のバトルシーンはすごかったです。直前の『荒川アンダーザブリッジ』でも一緒だったんですけど、『荒川』のホシは中身がちっちゃいちょろちょろしたヤツだったのが、直後の『ウシジマ』の現場では岩のようにどでかい孝之君がいた。2つの強烈なキャラクターを立て続けに演じていて、「すごい振り幅だな」って思いましたね。」

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── 林さんは、イベントサークルの代表を務める小川純という人間に、どうアプローチしましたか?

「同年代ですけど、自分とはかけ離れた人物という印象でした。原作のエピソードタイトルが「ギャル()くん」だったので、そういうルックスをつくるつもりで衣装合わせに行ったんですけど、監督と話した結果、「どこにでもいそうな服装と髪型にしよう」ということになりました。だから撮影現場では、見かけがどうこうじゃなく、とにかく「のし上がろう」という気持ちを大事にして、ただひたすら毎日を必死に送っているヤツとして演じました。」

── 「同じ時間の中で、違う出来事が同時多発して」ストーリーが展開しますが、登場人物のキャラクターがみな強烈でした。

山田「演じているみなさんがそれぞれにパワーがあるし、違う投げ方をするので、楽しかったです。自分としてはウシジマを歩かせて、そのちょっと後ろに視点があって、「面白いなー」って思ってる感じですね。現場では相手がどんな芝居をしてこようと、常にウシジマは変わらないんですけど、カットがかかった瞬間、「ああ、そんな感じでくるんだ」ってかみしめる感じでした。」

「純は携帯アドレス3000件という人脈があるので、映画の中でもそれだけの人と接するわけで、いろんな人と会いました。それこそ、ダンサーの人とか……。特に思い出深いのは、(純のイベントサークルの人気メンバー)イケメンゴレンジャイですね。あの5人はめちゃくちゃダンスを頑張っていて、格好良かったです。」

「孝之君には自分のことを何でも話せます」(林遣都)

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山田「映画の冒頭のシーン、金持ちのホームパーティーでの岡田(義徳)くんとの芝居も、なんか異様な空気感だったね。インでいきなり2日かけて撮って。クラブでのクライマックスの撮影も、遣都は精神的に相当大変だったと思います。」

「作品の中で、純は「お前、風呂入ってんの? 脂浮いてんぞ」って言われるんですけど、僕自身、ギットギトでした。」

── 林さんはこれまで、たくさんのスポーツ映画でも汗をかいてきましたが、それとは違う?

「なんだか、汗の種類が違いましたね。スポーツの汗は爽快感があって、精神的にもやりきった感があるんですけど、『ウシジマ』が終わったときは暗くて重い感じがありました。」

山田「遣都は、『荒川』でもあんなメンバーの真ん中にバンッと立たされて、精神的なプレッシャーやダメージが相当あったと思います。その直後にこれですから、単純に作品が続いた疲労もあるし、せっぱ詰まっている役だし、追い込まれたと思いますよ。そこで自分の精神的なダメージや肉体的な疲労を、うまく純という役に利用している気はしましたね。役者は自分のそのときの状態を、絶対に役に利用するものなので。遣都と純が相互作用し合って、どんどん拍車がかかっていったんじゃないかなと思います。」

「当時はそんな風に考える余裕はなかったんですけど、どこかで疲弊してきている感じ、追い詰められている感じで、純につながればいいなという心理はあったかもしれないです。」

── おふたりは先輩後輩で、これが共演3本目。そのあたりについて、話したりするものですか?

「僕は「まだまだ足りない」「もっとやんなきゃ」ってずっと思っていたんですけど、ある大変なシーンを撮っているときの夕休(夕食の休憩)で、「お前、これが終わったら休んだほうがいいよ」って言ってもらえたときに、「あ、ちゃんとやれてるんだ」と思えてホッとしました。孝之君は、僕のことを観ていてくれて、助言をくれる人です。」

山田「先輩後輩というよりも、何度も共演してる仲間って感じですしね。同じ事務所だから、21歳の遣都が通ってきた道は自分も通ってきているから、見えるものもありますし。でも、あのときは本当に、芝居から一度離れたほうがいいかなって思ったので直接言いました。でも、終わったらすぐに『QP』に入ってた(笑)。」

「体力的に疲れている感じがなかったので、大丈夫かなって。あと、当時、プライベートの時間とか別にいらないって感じだったので、仕事がしたかったんです。」

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── いい関係ですね。

「孝之君は先輩面をしないので、自分のことを何でも話せます。」

山田「俺が、先輩面をしてくる先輩が嫌いだから(笑)。逆に、たかが1つや2つ年齢が下なだけで、敬語で接してこられると、仲良くなれそうな人とも、ずっと壁がとれないじゃないのがもったいないから、敬語はいらないって言うんです。ただ、敬語じゃなくなった途端に舐めてくる人には「舐めてんじゃねーぞ」ってそれなりの対応をするだけです(笑)。」

「こんなに対等でいいのかなと申し訳なくなります……。」

山田「いいのいいの(笑)!」

Writing:須永貴子

INFORMATION

MOVIE

『闇金ウシジマくん』

2012年8月25日より、新宿バルト9ほか全国ロードショー

原作:真鍋昌平 監督:山口雅俊
出演:山田孝之、大島優子、林遣都、黒沢あすか、新井浩文ほか


▼公式サイト
http://ymkn-ushijima-movie.com/

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(C)2012「闇金ウシジマくん」製作委員会

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