2013年1月31日更新
2012年、話題の映画やドラマに立て続けに出演した林遣都。2013年、彼が休む間もなく挑むのは19世紀ロシア文学を代表する文豪・ドストエフスキーの傑作『カラマーゾフの兄弟』。人間の欲や狂気を孕んだ登場人物が多い中、正義感に溢れる医学生・涼を演じる。撮影真っただ中の林遣都の胸の内に迫った。
この強大な傑作を相手に、挑んで、輝きたい。
── 現在放映中のドラマ「カラマーゾフの兄弟」では、黒澤家の三男・黒澤涼を演じている。その出演が決まったのは、昨年の連続ドラマの撮影中。まさに多忙を極めていた時期にあたる。
「撮影は去年の年末からスタートしたのですが、こんな大作が相手なのにスケジュールの都合でなかなか準備する時間が少なくて実は焦っていました。でも、その不安よりもこんな偉大な作品に参加できることの喜びのほうが大きかった。共演者がどなたか教えてもらった後は、市原(隼人)さん、(斎藤)工さんと兄弟を演じられることが楽しみで仕方なかったですね。市原さんとは初めての共演で、工さんとは2回目。父親役の吉田鋼太郎さんは舞台を観に行かせていただいたり、一緒に食事をすることもあったので、父親役だと知ったときは“なんてピッタリなんだろう”と感動すら覚えました。みなさんに置いてかれないよう飛び込んでいかなきゃといった感じもありましたね」
── 登場人物の中で、涼は繊細で心根が優しく、ごく普通の青年に見える。強烈なキャラクターに囲まれる中、涼をどのように演じているのだろうか。
「涼に対しては、こんな環境で育った人は現実にはそんなにいないだろうし、その現実味のなさのために演じるのがすごく難しかった。僕自身はけっこう冷めたところがあるので(笑)、涼のような考え方や思想、ピュアさに共感するのが難しくって。でも、台本を読み進めていくと、涼には信念を曲げない強さがある。その信念を表現するために、役柄と同じように純粋な心と純粋なまなざしをもって作品に取り組みたいなと思ってます。この作品の前に取り組んでいたドラマでは、まったくのオリジナルキャラクターでの出演だったので、イチから人物像を作り上げていく作業をしていましたが、今回はその反対。大きな原作があるドラマで原作のファンもたくさんいると思うので、また違ったプレッシャーがありますけどね」
── 黒澤家の三兄弟と同様に、林自身も三兄弟で生まれ育った。その経験を生かしつつ「血のつながりや兄弟関係をちゃんと表現したい」と語る。
「兄弟関係の気持ちはすごくわかるんです。今回僕が演じている末っ子は上の2人を見て育つもの。長男は見るものは新しいものばかりで、自分の思いにまっすぐに生きている。いいと思ったものに強く影響されたり、周りを見ず突き進むところがある。次男はすごく人を見ますね。空気を読もうとしたり、人の表情の変化に敏感だったりとか。僕自身三兄弟なので、共通するものをすごく感じています。僕自身は次男なのですが、今、三男を演じていて“末っ子ってこんな思いだったんだなぁ”なんて気づかされることも。ドラマでは、長男の満兄さんとは異母兄弟で、次男の勲兄さんとは完全に血がつながっている設定。その違いを意識して、血のつながりを表現するよう心がけています」
── 不朽の名作を映像化。それはまさに挑戦ともいえる。撮影現場の雰囲気にも作り手の覚悟があらわれているそうだ。
「いわゆる“和気あいあい”ではまったくないですね。かといってピリピリってわけでもない。現場にいるすべての人がこの作品をやる上での覚悟を胸においてやっている、というのがしっくりきます。常にみんながよりいいものを作ろうっていう熱意がある現場です。その雰囲気を担っているのが主演の市原さんなんです。今まで、いろんな主演の方を見てきたり、自分自身が主演をやった経験もありますが、市原さんほど理想的な主演はいないんじゃないかな。現場の空気をご自身の行動で引っ張ってくれています。その背中を見て、みんながついていく感じですね」
── 緊迫した雰囲気で撮影が進むため、他の現場とは比べものにならない疲労感があるとのこと。もちろんリフレッシュが欠かせない。
「回想シーンが多いドラマなので、気持ちをつくったり、切り替えたりで常に集中してるんです。それに加えて、現場にいると役柄について深く考えたくなる雰囲気がある。で、考え込んでしまうからすごく疲れちゃう(笑)。なので、できるだけ撮影が終わったら切り替えるようにしています。最近は、お酒を飲んでリラックスすることが多いかな。年明けからハードな撮影が続くのがわかっていたので、今年の正月は実家に帰って“初笑い”してきました。地元の友達と集まって琵琶湖の前でカウントダウンして、バカ騒ぎをしたんです。気持ちよく年を越して、改めて撮影に臨みたかったんですよね」
── インタビューも終盤。「この作品が今年のいいスタートになればいいな」と語った林。2013年の抱負&ファンへのメッセージを聞いてみると……?
「今年は、前厄らしいけどなんにも気にしてません(笑)。2013年はスタートでこれだけ胸を張って多くの方に見ていただけるドラマ、チームに参加できたので、この勢いと気持ちの充実感をもってやっていきたいですね。あとは、もっと映画を観ようかなと思ってます。毎年、映画『バッテリー』でお世話になった滝田監督と電話で話す機会があるんですけど、そのときにあまり細かいことはおっしゃらないけど、「しっかり毎日勉強しなさいね」とだけお言葉をいただきました。今年は自分の仕事のための勉強をはじめようと思ってます。最後に、ブログのコメントが、心のよりどころになっています。褒めて頂くことが多いのですが、それが甘えになるとはいけないと思っています…」
Writing:長嶺葉月
「スターダストWEB」ではコメント動画を配信中!
詳しくはフューチャーフォンorスマートフォンからアクセス!!
http://stardust-web.mobi/
フジテレビ系ドラマ「カラマーゾフの兄弟」
毎週土曜23:10~絶賛放映中
黒澤家の当主・文蔵が殺害され、3人の息子が取り調べを受けることに。警察は文蔵に苦しめられてきた息子たちの犯行を疑うが…。
3部構成で展開し、第一部では事件の日に至るまでの、兄弟の足跡をたどる。二部は、事件当日を。第三部では、取り調べから判決までの真相解明を描く。
(C)フジテレビ
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