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2002年にフランスで発行されるや世界中でベストセラーとなった小説『ぼくの名前はズッキーニ』。この傑作小説が2021年、世界で初めて日本で舞台化される。本作で舞台初出演を果たす三村朱里に話を聞いた。

ベアちゃんのとげのある素直さを軸に、ママを待っている可愛らしい素直さも大切にして演じたいなと思っています

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―― この作品は孤独な少年ズッキーニが、母を亡くしてひきとられた養護施設で仲間や彼を見守る大人たちと出会い、厳しい現実の中でも前を向いて生きようとする姿を描いている。台本を読んだ感想を聞くと。

「題材にしているのは重い内容なので時には心がキューっとなることもあるんですけど、基本的にはみんなが楽しそうで施設の人たちが作り上げる雰囲気が温かいんです。読んでいくにつれて心が温かくなっていって、見終わったらフーッとリラックスできるお話だなと思いました」

―― 小説を原作にした映画アニメーション版も制作され、数々の賞を受賞している。三村もアニメーション版を見たそうで。

「ちょっと暗いですがクレイアニメなのに絶妙な表情が表れていて面白いなと思ったんですけど、「舞台になったらどうなるんだろう」と想像できなくて。でも、想像ができないからこそあの素敵なアニメが舞台になったらどう変化して、伝わることが変わるのかなと思ったらワクワクしました。成人した大人たちが6歳の子供を演じたらどういう相乗効果、化学反応が起きるんだろう、と楽しみです」

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―― 本作が初舞台となる三村。舞台にはどんなイメージを持っているのだろう。

「ここ数年は気になった舞台を見に行ったりしていますが、ライブ感が好きです。同じ作品を2回見にいくという経験はまだないんですけど、その日その日でやりとりの間も違って、何か違うことが起きる楽しさがあって、舞台は生きている、新鮮なものだなという印象はあります。舞台って約2、3時間、真ん中の席でも端の席でもどこからでもステージが100%見えるじゃないですか。発言していないキャストの人にも何千人の中の何十個かの目が向いていて、実際に自分が立ってみたらどういう風に感じるのか未知の感覚があります。舞台の演出上、時空が歪むというかパッと画面が切り替わって、実際には場面には出演していない人もいるみたいな演出があって空白の間がない部分もあるので、自分の役柄の座り方とかその時思っていることは意識したいなと思っています」

―― 三村が演じるのは迎えに来ない母を待ち続けている少女・ベアトリス。稽古に入る前に役作りなどの準備をしたのだろうか。

「稽古に入る前に「6歳ってこんな感じ」と決めつけて入ってしまうのも違うかなと思って、特に何か準備はしませんでした。ふわーっと「6歳、幼い」って想いだけで稽古に入って、皆さんの演じる6歳を見て影響を受けながら徐々に作っていった感じです。いろんな助言をいただいて構築していったんですけど、ベアちゃんは6歳なのにお父さんにされたことが影響してあまり表に感情が出てこないんです。周りの空気を読めない不思議ちゃんですが、ママに対する思いが強くて。普段生活しているときは子供らしくなくてちょっと俯瞰して物事を見ているんですけど、「ママ」に関わることだとリミッターが外れて、6歳よりもっと小さい子供に戻っちゃう部分があります。喜怒哀楽を激しく出すお芝居は思ったより簡単なんですけど、感情を出さないで演じるのは難しいです」

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―― 脚本・演出は大胆な発想と丁寧な人物描写、創作の幅の広さですでに高い評価を受け、今最も熱い視線を集めるノゾエ征爾さんが務めている。ノゾエさんはどんな演出をされるのだろう。

「多くを語らず、いい意味で泳がせる(笑)。1人1人の演じ方を見て、それをまとめようとしてくださいます。最初、「最後の最後までカチッと決め込まずに、みんなで迷いながら悩みながら本番までやっていきたいと思っています。子供役を演じる上で、ショッキングな事情をどのくらいの距離感で把握できたかも最後まで決め込まなくていいと思います」と仰っていただきました。悲観的になりすぎず、でも明るすぎるのも違うと思うので、それを探りつつやっている感じです。当事者だけどちょっと客観的に見ている感じです」

―― 思うままに演じられる一方、役を作っていく中で自分の芝居が正しいかどう判断するかは難しいのでは、と聞いてみると。

「そうですね。「いつ答えが出るの?」「これは間違っている?」って思いながらやっています。流石にこれは違うなと思う時はノゾエさんも仰ってくださるので、そこは直しながらやっていますが、未だに正解は出てないです。共演者の皆さんも同じことをおっしゃっていたので、「みんな同じなんだな」と思って安心しています」

―― 初めての稽古でわからないことが多い上、感染防止対策をとった稽古はより大変なイメージがあるが。

「稽古は悩むことの方が多いんですけど、楽しいです。勝手なイメージで体を動かすので疲れるのかなと思っていたんですけど、考える分、体より頭の方が疲れます。稽古はマスクをしてやっているんですけど、衣装合わせのときに5分間くらいしかマスクを取ったことがなくて…。みなさん有名な方なので私は顔を存じ上げているんですけど、逆に皆さんが私の顔をあまりわからなくて「顔の下半分そんな感じ?(笑)」って思われてるんじゃないかと思っています(笑)。でも一番大変なのはノゾエさんだと思います。マスクで目の部分しか見えなくて、心に闇を抱えた子供達だから感情が口元に出てくる可能性があっても感じ取るのに限界があると思うんです。本当に大変だなと思います」

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―― もうすぐ公演初日を迎える現在の心境とは。

「緊張は一切していないです。直前には緊張するとは思いますが、ステージに立ったら忘れてしまうと思います。お客さんの前で演じた経験がないので想像できないですけど、足が竦まないように今から何か起きた時でも対応できるブレない芯の部分は作りたいと思っています。あと「できる、できる」言葉に出すようにしています。中学校の時の塾の先生に「不安なことは紙に書いた方がいいよ」と教えてもらったので、不安に押しつぶされそうな時、紙に書いて吐き出すようにしています。今は公演が始まるのが楽しみです」

―― 最後に舞台の見どころを聞いた。

「孤児院の話なので重たいと感じられると思うんですけど、心が動かされてすごく温かくなれる素晴らしい作品です。今コロナ禍で舞台を見に行くということはハードルが高いと思うんですけど、見た方に元気を与えたり、リラックスができて、老若男女が楽しめる作品だと思うので、ぜひ見に来てください。私自身はベアちゃんの忖度のないある意味とげのある素直さを持っている部分を軸におきながらママを待っている可愛らしい素直さに持ち合わせている部分も大切にして演じたいなと思っています」


インフォメーション

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STAGE

『ぼくの名前はズッキーニ』


【東京公演】
日程:2月28日(日)~3月14日(日)
会場:よみうり大手町ホール
お問い合わせ:チケットスペース 03-3234-9999(平日10:00~12:00/13:00~15:00)

【大阪公演】
日程:3月19日(金)~3月21日(日)
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
お問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(月~土11:00~16:00)

いつも屋根裏部屋でひとりで遊んでいる少年イカールは、ママと二人暮らし。パパが“若いメンドリ”のもとに去ってから、ママはビールを飲んで、イカールの事を“ズッキーニ”(=日本語で言うヘチマ)と呼び、怒ってばかり。 ある日、ママは突然の「事故」で帰らぬ人になってしまう。
警察官のレイモンは、ズッキーニを不憫に思いながら、養護施設「みんなのいえ」に連れて行った。クラスメイトは、リーダー格のシモンをはじめ、アメッド、ジュジュブ、ベアトリスとちょっと変わった子供たち。
ある日「みんなのいえ」にやってきたカミーユに一目で惹かれるズッキーニ。カミーユも また、辛い過去を背負っていた。 どれだけ明るくふるまっても、強がっても、「みんなの いえ」にやってくる子供たちは幼いながらに厳しい現実にさらされ、それぞれに心の痛み を抱えていた。お互いの複雑な事情を知るうちに、ズッキーニは、心の痛みを共有するクラスメイト、厳しくもあたたかいロージーやパピノー園長、そしてずっと気にかけてくれるレイモンたちと打ち解けていく。
「みんなのいえ」では毎日のように何かが起きた。 その度に、ズッキーニ自身も心の底にしまいこんだ記憶と向き合うようになる。
晴れの日も曇りの日も、人生を自分の足で歩いていくために、みんなとの別れの時が、だんだんと近づいてきた―――

▼公式サイト
https://www.ktv.jp/zucchini/



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