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2014年5月28日更新

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2014年4月9日にリリースした、ブラザートム待望のフルアルバム『MADA, I WANT TO SING』が好評発売中だ。ミドルテンポの良質なソウルミュージックがずらりと並び、どの曲を取ってもソウルフルな歌声が染みるフルアルバム。俳優からタレント、アーティストまで幅広く活動するブラザートムが、『MADA, I WANT TO SING』というタイトルでアルバムを作った理由とは。全編を通じて貫かれる「歌いたい」「残したい」という気持ちは、どこから来るものなのだろうか。

トムさん、マジ ヤバい!!

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── アルバムを制作されようと思われた経緯を教えてください。

「駅前に、豚野郎ができたんですよ。」

── 豚野郎?

「知りませんか? ラーメン屋です。事務所がある駅前の牛丼屋がつぶれて、野郎ラーメンになったんですよ。時代というのは移り変わっていくものなんだなっていうのをひしひしと感じて、作ってみようと思いました。」

── 飲食業界の荒波を感じながら…。

「中でラーメンを頼むと「豚野郎お願いしまーす!」って言うんですよ。なんてネーミングだと思いまして。でもネーミングってすごく大事で、それで今回のアルバムのタイトルを『MADA, I WANT TO SING』にしたんです。」

── (笑)。でも「歌いたい」というタイトル通り、すごくストレートな、直球のソウルミュージックですよね。

「ソウルっていうのは自分の中に沁みていて、もう逃げられなくなっちゃってるんですよね。ただ、相当かっこいいです。このアルバムは、いま20歳の子が40歳になっても、きっと手にとるアルバムだと思います。」

── とにかく音がいいですよね。若い人にこそ聴いてほしい音楽だと思いました。

「日本のトップアーティストを集めました。今や初音ミクですからね。20年後には全部機械の打ち込みになって、こんな音はもう聴けないかもしれません。ほんとに、録っておかないとトキみたいに絶滅しちゃいます。予算の問題もあるから、こういう音にこだわるのはすごく難しいこともあるんです。ただ、長い目で見れば、このアルバムの良さがわかるかなって。」

── 贅沢なアルバムだなぁと思いました。では、一曲目からお伺いしていきたいと思います。

◎ふぅ

「ソウルってどうしても、「♪Hey Babyカモン」、っていう歌詞になりがちなんですけど、僕の場合そうならないんですよね。いつもは曲を書いて詞を付けるっていうパターンが多いんですけど、今回は詞が先でした。」

── それだけ伝えたいことがあったということなんですね。

「先日、小室哲哉くんに会った時に言っていた一言がすごく僕の頭に残ってて。「人生は長い」って。あんなに成功した彼でも、そんな風に思うんだなって。そういう、誰もがやっぱり考える刹那な本音を書きたかったんです。」

◎PRIDE CHIKEN

「聞かれてノーコメントですっていうのもアレなんですけど、歌詞はちょっと載せられない事情があって割愛しました(笑)。いや、載せられるようにしたんですよ。ライブではもっととんでもないことになってます。時間も長くて、この倍以上はやってますね。ギターが「まだ?」って飽きちゃうぐらい(笑)。」

── これは歌というか、語りというか…。

「僕はラップをしてるつもりです。そういうと韻を踏んでないじゃないかって言われるけど、ラップって本来、型にはめるようなものじゃないんです。ミリー・ジャクソンっていう女性のラッパーがいるんですけど、もう70歳ぐらいなのかなぁ。彼女は、普通の生活の中で自分がどんどん狂っていく様を、えんえん喋り続けて歌うんです。そういうラップの形もあるんだよ、というのを入れてみました。これは買ってもらうしかないです。買っていただいて、もっとちゃんと聞きたい方はライブへ来ていただいて。そうすると完全版が聴けます(笑)。」

◎鳴らしてよ愛の歌を

「ほんとうの意味でのラブソングですね。お互いがお互いを求め合って、真剣にこれからの行方を考えている。僕ね、裸で下着を探している男と女って、すごくいいなって思うんですよ。さっきまで裸になるのをためらっていた男と女が、お尻を突き出しながら「あれっ、パンツどこかな?」って。身体が触れ合った瞬間に、スッと通り過ぎちゃう。その男と女の深さが好きで。それをこういう軽い言葉にしてみました。」

── 身近な言葉だから響きますね。

「こういう感じの恋愛を是非してほしいです。」

◎Blueberry Hill

── これは自身の原風景なんでしょうか。

「これは福島に向けた歌です。僕は原発のそばにある葛尾村というところの名誉村民で、村民全部が避難している村なんです。そこに住むお母さんが息子のためにブルーベリーを育てていたんですけど、避難によって、もうその丘に入れなくなっちゃったと言う話を聞いて。切ないですよね。」

── 交流の中で生まれた歌なんですね。「オリンピックまでには帰る」っていう言葉も印象的でした。

「この歌詞には、その村に住む方々が実際に話されていた言葉を入れてあります。村の人が、「オリンピックまでには帰る」って言っていて…。今の状況では難しいかもしれない。でも、それを聞いて、これはどうしても残しておかなくちゃいけないと思ったんです。」

── 実際に話されていた言葉だけに、重みがありますね。

「僕が自分の言葉で歌うと嘘っぽくなっちゃうなと思ったんですけど、どうしても伝えたかったから、こういう形にしたんです。忘れてはいけないと。日本にはこういうことがあったよっていうことを伝えていかないと、って。」

◎TRY AGAIN

「応援歌です。自分だったり、家族だったり、仲間だったり、すべての人へ向けて応援をしている歌です。実はブラザー・コーンに対する応援だったりもします。バラバラになってても、応援したいじゃないですか。」

── 聞いていて、アッと思いました。でも全ての人に贈る応援歌という印象にまとまっているところが憎いですね。

「歌詞もそういう感じで、基本的にはBrotherとかSisterとか、一般の人たちへ向けた曲になっています。素直にスッと聴けると思います。」

◎恋におぼれて(Duet with Keiko Toda)

「これは1989年頃に久保田利伸たちと一緒にやっていた「FUNKAHIPS(ファンカヒップス)」っていうすごく面白いショウケースがあって、そこで生まれた曲です。30年前に書いた詞が、今読んでもいいなって思えるって素晴らしいですよね。」

── デュエットをしている戸田恵子さんの歌声がたまらないです。

「あの人は最高にうまいですよね。もちろんうまいから頼んでるんですけど、こんなに歌えるとは思わなかったです。セクシーですしね。ちょっとびっくりしました。」

── このMVはYoutubeで公開されて、話題になっていますよね。解説付きバージョンでは、歌い方を指南してくれます。

「あれ、いきなり録ろうっていうことになったんです。戸田さんには事前に何も知らされてなかったんですが、でもちゃんとこなしますもんね。スッと入ってく。流石だなと思いました。あとはEXILEが出てくれれば売れるんですけど(笑)。」

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── カラオケを通じて曲の良さを知ってもらうって面白いですね。

「ちゃんとこういうデュエットができるようになってほしいんですよ。みんなで歌いながら盛り上がって、日本の少子化を食い止められたらなって(笑)。全体的に詞の内容は直接的ですし。歌を歌うっていうのは口説くことですから。」

── 歌で口説くんですか?

「もちろん! すべてのミュージシャンが、お客さんに恋をして口説いてるんです。恋をしてないと歌えないですから。ライブではいつも、綺麗な人がどこにいるか確実に見つけて、その女性に向かって歌うようにしています(笑)。」

── ライブ会場でも気が抜けないですね…!

「でもね、ぼくの場合、ライブにしろファンにしろ、男しかいないんです…! それもちょっとネジが外れちゃったような…。「一緒に写真とってください」って言うから、「いいよ」って言ったらグッと近づいてきて「YO!」とか…。もう、そんなやつばっか!」

── ヒップホップなんですね(笑)。

「僕はもうそんなことやりたくないんですよ。普通にしていたいんです。でも「YO!ブラザー!」って、ハイタッチが好きな連中ばっかで…。困ってるんですよ、僕は女性に歌いたいんです。でも、どこを見ても「YO!」「YO!」…。」

── 今回のアルバムのトーンは決して「YO!」じゃないですよね。

「本当は、そういう人たちに踊ってほしいんです。世界中でこんな国ないんですよ。お互いの手に触れずに踊り続けてる国って。」

── 確かに、日本の場合はライブでも個人で踊るものが多い印象があります。

「踊りって求愛ですし、コミュニケーションなんですよ。絶対どこかでお互いの身体に触るものなんです。だから、本当にやりたいライブは、僕なんか見てなくていいから、音楽を聴いて、客席のみんなが踊ってるライブ。そうなったらなぁって思っています。」

◎Good Morning JAPAN

「以前は全く歌詞掲載できないものでしたけど、なんとかできる程度になりました。僕だけがわかってるようなメッセージになっていますが、タイトルは映画「グッドモーニングベトナム」をイメージしていますし、一種の反戦歌のようなものです。」

── 日本というものがひとつのキーワードなのかなと思いました。

「自分が生まれた国の今の状況をちゃんと伝えたいなというのがあるんですよ。ただ、日本はあんまりそういうのを歌うことが許されない国なので、歌えるようなものにしてあります。」

── 昔はもっとありましたよね。

「ええ、日本にも昔は反戦歌っていうジャンルがありましたから。海外はもっと直接的ですし。ただ、これはゴーゴーというひとつの黒人音楽でもあって、僕が好きなジャンルのひとつなので、単純にゴーゴーとして楽しんでもらえたらいいなと思います。」

◎Naked sun Naked moon

「母親がかけそばが好きだったんですよ。若い時は「なんでそんなものが好きなんだろう?」と思ってたんですけど、歳を経て、かけそばが大好きになってる自分がいて、親に似るんだなぁって思ったんです。あと、僕は母親に踊りを教わったんですけど、居間のコタツをどかしてダンスを踊ってたんです。その空気感というか、昭和という時代をパッケージしたような曲になっています。」

── 歌詞から、「昭和」という時代が伝わってきます。

「昭和を体験した人にはグッと共感できるはずです。あの頃は便利じゃなかったから、思い出がきれいなセピア色のままなんですよね。初恋の人がキレイだった「はずだ」、で僕たちは生きてるじゃないですか。廊下をぞうきんがけして、パンとあたってニコッとしたときの顔とか、ぼんやりと覚えてるわけじゃないですか。」

── 思い出は色褪せないですもんね。

「そう、いい色の写真になっていくんです。でも、今はなんでも残ってるでしょう? 初恋の人の現在の姿だって、検索したらすぐわかっちゃう。それってちょっとかわいそうだなって思うんです。ある意味、何もない時代だったことが贅沢なのかもしれないですね。」

◎幸せの値札

「これは、飲んだ帰りのうちに着くまでの間に起こった出来事を書いたものです。世間とか社会に対して、憤りとか疑問とか、そういうものをぶつけてます。」

── こちらも『PRIDE CHIKEN』のような語りのラップが印象的です。

「先ほども言いましたけど、ラップの形式っていうものに、ラッパーが理屈を言ってるもんですから腹が立っちゃって。そういうんじゃないっていう想いもぶつけてます。」

◎Big Blue Balloon

「『What's going on』も、『Let it be』も、『What a wonderful world』もそうですけど、そういう曲と同じ系譜です。今いちばん、世界がこの曲を必要としていると思います。世界中で銃をとる時間が一秒遅れただけで、人は一人死ななくて済みますから。これはアシュレー・ブライアンという絵本作家に会って、その人に刺激を受けて書いたものです。90歳のおじいさんなんですけど、ああいう風になりたいですね。」

── 世界的な問題への意識が、シンプルな歌詞だからこそ響きますね。

「大好きな地球があるっていうことをわかってほしくて。僕自身、コピーから始まって、オリジナルを作るようになって、ヒット曲めいたものを作り出して、そのうち自分のことを歌うようになって、家族ができて、家族のことを歌う時期があって…。今回また一段階グッとあがった気がします。家族以外の人に伝えたい、言いたいことがまだあるっていうことだと思うんですけどね。」

── 曲自体は短いんですけど、伝えたいことがギュッと詰まってる感じがあります。

「さらに古澤巌のバイオリン、これがいい!やっぱり世界で活躍してる人が弾くといいんだなって。どうしても聴いてほしい曲ですね。今、自分の家でいちばん流れてるのはこれかな。」

── ここの歌詞で出てくるのが「恋人」だっていうところが、世界観を現してるなと思いました。

「そうなんですよ。これを「友達」にすると急に子供の歌になっちゃうんです。小さい子供でも恋人のように接してほしいというか。子供も大人も、全てがきちんと向き合うべきだなって思うんです。」

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── 今後の音楽活動についても教えてください。

「のんびりライブをやっていくつもりです。あと今考えてるのは、病院でのディナーショーやアフターティーライブ。来れない人のために、僕のほうから行きたいんですよ。入院が長くて、いつも寝間着ばっかり着ている奥さんが、その日だけはちょっとだけ口紅をひいてご主人と一緒に来てくれたらなって。あと、ちょっと嫌だなと思っても、病人だから逃げ出さないじゃないですか(笑)。」

── 慰安ではなく、ライブっていうところが大きいですね。

「うん。ちゃんとお金を頂きますからね。実は僕、病院の天井に絵を書きたいっていうのもあって。真っ白な天井だけを見て、手術室に入っていくのは怖いじゃないですか。だから4コマとか、何かイラストを見ながら手術室まで行けたら不安も和らぐんじゃないかなって。そんなのをやってみたいなと思ってるんですよ。」

── 最後に、ご覧の皆さまへ、一言お願いします。

「みなさん、たまたまこのサイトに入ってきて、たまたま僕のページを見てると思うので、自分の応援してる人をしっかり応援してやってください。それがいちばん重要です。たまに、こういうジジイの言ってることも聴いたほうがいいですよ。30年後、こういうのも持っていないとまずいですよ。Youtubeで見ていただいて、気になったらアルバムのほうも聴いていただけたらいいかなって思います。あとは豚野郎、ぜひ食べましょう(笑)。」

Writing:飯田ネオ

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INFORMATION

ALBUM

『MADA, I WANT TO SING』

発売中!

SDMC-0130
定価¥2,667+税
発売・販売元SDR

【収録曲】
M1.ふう
M2.PRIDE CHICKEN
M3.鳴らしてよ愛の歌を
M4.Blueberry Hill
M5.TRAY AGAIN
M6.恋におぼれて(Duet with Keiko Toda)
M7.Good Morning JAPAN
M8.幸せの値札
M9.Naked sun Naked moon
M10.Big Blue Balloon

★「恋におぼれて(Duet with Keiko Toda)」MV
http://youtu.be/U2asK6aXauo

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