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【monjeインタビュー】2ndコンセプト配信EP『遊歩道』 4/17配信リリース!

独特のグルーヴで空間を彩るボーカル&作詞のKananと、monjeの「遊び心」ある全楽曲の作曲とアレンジを担当する森山瞬からなる東京藝大発のクリティブチームmonje(モンジュ)2ndコンセプト配信EP『遊歩道』を417日(水)にリリースする。2023年にリリースされたコンセプトEP『衣』『食』『住』から繋がる「遊」をテーマにした最新EP『遊歩道』の楽曲制作やmonjeとしての目標などを聞いた。

 

■monje(モンジュ)のユニット名の由来を教えてください!

Kanan:「3人寄れば文殊の知恵」と言うことわざから取っているんですけど、“文殊の知恵”という言葉自体が“一人で成し得ないことをいろんな人が集まってやれば大きなこともできる”という意味もあって言葉自体も良いと思ってつけました。「音楽だけやってきました!」というわけではなく音楽以外の物作りをしてきた人たちがあえて音楽を一緒に作るってどういうことだろうというのが逆に悩みでもあったのですが、そういう意味ではmonjeがしっくりきたし、腑に落ちました。

 

森山瞬:monjeの表記をアルファベットにした上で、最後の文字を“u”か“e”かで迷ったんですけど、最後は直感で“e”に決めました。かなりしっくりきています。monjeはバンドという形態ではなく、歌う人、歌詞を作る人、曲を作る人って完全に分かれているので、バンドじゃなさみたいな感じをよく表現されている言葉として気に入っています。

 

■お互いを紹介していただきたいのですが、まずKananさんから見て森山さんはどんな方ですか?

Kanan:現代には珍しいリスクを怖がらない人です。音楽の制作にしても普段の体の動かし方に関しても見ているこっちが驚くくらい恐れを知らずに挑戦する人です。本人は何も考えてないと思うんですけど、その考えてなさがすごいと思います(笑)。そういう部分がめちゃくちゃ羨ましくあるから一緒にやっている感じです。最近は言っても聞かないことがわかってきているので何も言わないようにしています。

 

■逆に森山さんから見てKananさんはどんな方ですか?

森山:本当に人が好きで愛に溢れた人だと思います。他人にあげられる愛の絶対量が多くて、他人に使える気持ちが100あるとしたら、Kanan1000あるみたいな感じだと思います。だから歌う意味があるんだなと。人間ポイントが高いです。

 

■お話を伺うとお互い対称的な性格のようですが、喧嘩をされることはありますか?

Kanan:ケンカの定義がそもそも難しいと思っていて・・・。他の人から見たら喧嘩なんじゃないと思うこともあるかもしれないですが、お互いは喧嘩している認識はないです。音楽以外の制作をそれぞれがしているので自分が今思っている感情とか、置かれている状況とか、これからやらなければいけない目標を分析的に見て言語化する訓練を大学で受けたので、考えを言葉で分解して伝えるのが得意だなと思う部分があります。

 

森山:お互い好奇心が旺盛なんだと思います。他人の感情が面白くて、真に知りたい部分もあるので感情的になることもありますが、その感情にさえも興味があります。

 

Kanan:似ていないけど、お互いの違うことを理解している感じです。

 

森山:バンドって「こういう音楽が好き」とか明らかに一つの目標に向かっていく感覚ですが、monjeは別々の能力を持っている人たちが集まってゆるやかに何かを共有していくという部分があって、そこがmonjeの好きなところですね。

 

■今後monjeとしての目標はありますか?

森山:音楽はもちろん中心にあるんですけど、物販で作ったものを売ろうかなと思っていて自分たちが作りたいものを多方面に広げていろんな表現形態の物作りをしたいと思っているのは大枠での夢であります。最近では料理を作れる音楽を作りたいとかも考えています。

 

Kanan:音楽だけに留まらずにいろんな表現をしていきたいし、それをきっかけにいろんなものの架け橋になれたらいいなと思います。例えば現代アートに興味がなかった人が私たちの音楽をいて掘っていくことでいろんな作品を見てみようと思ったり、料理にだけ興味を持っていた人が私達が料理に関する音楽を作ったとしたら私達の音楽をきっかけに音楽をくようになるとか。音楽の力を使いながら表現の幅を広げることでいろんなものの化学反応を起こせるきかっけになったら面白いかなと思います。

 

 

■次に最新アルバム『遊歩道』についてお話を伺いたいのですが、前作のコンセプトEP『衣』『食』『住』を制作する時にはすでに本作のコンセプトまで決めていたのですか?またどの時点でタイトルを決めましたか?

Kanan:決めていたわけではなくて、monjeとして前作で家の中で完結するしたことから今度は外に広がりを持つという目標を持ってやっていて、いざ曲を自由に作って気がついたら自然に「遊ぶ」というコンセプトまで辿り着いていました。調べたら“衣食住”の次には“遊”が来るということを知って奇跡的なマッチでした。

 

森山:タイトルはなんとなく全体が見渡せる様になってから、今回で言うと1,2曲作ってみて決まりました。

 

Kanan:最初は自由に曲を作り始めて、やっていくうちに“今何が気になっているかな” “大事なものは何かな”と話し合っていくうちに『遊歩道』というタイトルが見えてきた感じですね。

 

■詞先(歌詞から先に楽曲を作る)、曲先から先に楽曲を作る)という制作方法があると思うのですが、monjeはどちらになりますか?

森山:『MUTEKI』と『きれい』は曲先、『瞳』は詞先です。全体的には曲先が多いですが、詞先も良かったので今後は詞先もやっていきたいですね。

 

■「詞先」と「曲先」では曲の感じが変わったりするのでしょうか?

森山:すごく違いますね。『瞳』は歌詞が先にあったので音楽を作ったというより歌を作ったという印象が主観としては強いです。去年の3月にリリースした『madobe』という曲も詞先だったので同じように歌を作った感じです。

 

■楽曲制作にあたり事前にしっかり話し合って進めていかれますか?それともお互い理解しているという前提で進められますか?

森山:楽曲それぞれについて話はしてはいないですが大きな枠組みは共有しながら、例えば今回は最初に“領域横断めに作るか”とか”クスっと笑えるアホっぽい感じにしよう”と大枠を決めて作り出した感じですね。

 

Kanan:作る段階に入ると“お互いそれぞれ作る!”って感じになりますが、ある程度作って作詞もバーっとした後に擦り合わせるみたいな手順でやっていました。

 

■それぞれの楽曲についてお伺いしたいのですが、『MUTEKI』はmonje初のアップテンポな楽曲でということですが、今回アップテンポな楽曲を作ってみようと思ったきっかけあったのですか?

森山:作っていて勢いが乗ったというのがすごく大きいんですけど、今までと全然毛色の違うものを試してみようと思って。曲を作る時に一番最初にテンポを決めるのですがちょっと狂った感じにしようと思って(笑)、いつもは95とか100以下のテンポを入れているのを今回は143入れて作りました。

 

Kanan:デモをいた時に「自分たちの曲?」ってすごくびっくりしたんですけど、いていくうちにだんだん馴染んできて落ち着きを取り戻しました(笑)。これだけアップテンポでしかもちょっとロックっぽいサウンドのギターの音もシャカシャカ聞こえる中だったらいつもと違って勢いのあることも言えるんじゃないかという追い風もあって詞もノリノリで書きました。

 

■それで『MUTEKI』というタイトルに結びつくんですか?

Kanan:そうです。元々この歌詞を書く前に5月に開催するワンマンライブの構想を考え始めるみたいな段階だったので、先に「今大事にしていることってなんだろう」ってコンセプトの話をしているうちに「“遊び”とか“遊び心”が大事だってことを共有しているよね」ということで、“子供時代の遊び”と“最近公園行って逆上がりするけど全くできなくて怖がっちゃう自分がいる”っていうのに気がついて、これから先もそういうリスクを取らないみたいな生活と矛盾だけどそういう気持ちも大事にしなくちゃいけないんだというコンセプトが自分の中にあったので、それを反映させて勢いのある楽曲と共にこういう歌詞になりました。タイトルは子供の頃に良く言っていた「無敵!」という言葉が良いモチーフじゃないかなと思って決めました。

 

■『MUTEKI』というタイトルをアルファベットにした理由はありますか?

Kanan:今まではルールを決めていて全曲ローマ字でタイトルを作っていたんですけど、今回それを引き継ぐか引き継がないかを考える中で新しいことをやっていく段階だと思ったので、そのルールを一旦なしにしつつスタイルは継続していくことにしました。タイトルをつける時に「むてき」をひらながで書いたり、ローマ字で書いたり、漢字で書いたり、全然違う言語に翻訳して日本語っぽく書いたりしたんですけど、一番しっくりしたのがアルファベットの大文字だったので『MUTEKI』になりました。

 

 

■歌うときはどういう思いを込めて歌われましたか?

Kanan:子供っぽさをモチーフにしながらそれでも大人になった今の葛藤や矛盾をコンセプトに歌詞を書いていたので、歌う時もそういう気持ちを込めて歌いました。どっちかというと苦悩という印象で歌っていたんですが、Cメロはもっと視界を広げて自分の子供時代から今の社会に目を向けて自分に戻ってくるみたいな印象で歌いました。

 

■『瞳』の制作はいかがでしたか?

森山:先ほども言った通りこの曲は詞先で作ったんですけど、歌詞の内容を受け取ったままメロディを書いていきながら音楽は作りました。曲を書く段階では一般的なサウンド感のシティポップみたいなニュアンスの音楽ができたんですけど、最後にアレンジをする時に遊び心を足していくというプロセスで作りました。

 

Kanan:今回『きれい』『MUTEKI』『瞳』の順で歌詞を書いていて、前半の2曲は去年大学を卒業して音楽をやりながら会社員としてむしゃらに働いていた時期があって、その1年でインプットした自分の中での葛藤みたいなものが出せたなと思っていて、『瞳』はガラッと違うテーマにしようと思って。“月”というモチーフを出しながら「ラブロマンス的な美しいものを久しぶりに書いてみよう」とそれくらい軽い感じで最初は書き始めました。

 

■『きれい』は森山さんも歌唱されていますが、歌うことになったきっかけはありますか?

森山:あらかじめ決めていたわけではなくて・・・。普段デモを作る時は僕の声で作ってその後キーを変えてKananに歌ってもらうんですけど、今回は単純にそれがなんかしっくりこなくて。デモの時の雑な感じというか暗い感じがニュアンスとして出ていたほうが音楽としてしっくり来るかと思って歌うことになりました。

 

Kanan:最初は私だけが歌ったんですけど2人で「うーん」ってなって、森山に歌ってもらったらけっこうしっくり来て。この歌詞は自分が大学を卒業して社会人やりながら歌もやりながらっていうと時期が自分の中で乖離していたなと思うことがあって、行き来した葛藤とかなどを書いていたので、2人で歌うこと群像みたいな印象をつけたかったし、そういう印象がついたと思います。それぞれの人生が別々にあって若いがむしゃらに新しい環境で生きている人たちのためにという印象で書いています。

 

■森山さんは実際に歌われていかがでしたか?

森山:Kananが書く歌詞は僕が普段話さない言葉がたくさん出てくるのでなんか不思議な感じでしたし、Kananの言葉が体に入ってくる感じは新鮮な気持ちでした。

 

Kanan:レコーディングの時に「これってどういう気持ち?」ってヒアリングされながら森山が歌った部分もあります。

 

森山:逐一確認しながらレコーディングをしました。

 

■今回森山さんが歌唱されたことで今後の楽曲制作に影響などあると思いますか?

森山:どうなんでしょうかね?でも2人で歌ったのが意外としっくりきたので、歌うことは増えていくと思います。

 

Kanan:『きれい』を一番最初にレコーディングしたんですけど今までコーラスやハモにも参加していなかった森山が『MUTEKI』や『瞳』にコーラスとして参加しているので、すでに影響をうけているのかもしれないです。

 

森山:そう言われれば早くも影響を受けていますね。気が付けば当たり前のように歌っていました(笑)。今は歌詞と音楽を分担して作っているんですけど、今後はクロスオーバーして混ぜていきたいなとはなんとなく思っていて。アーティスト写真も2人で相談して作ったので今後はクリエイティブも協力プレイできればと思っているのでお互いの担当分野に侵食していくイメージはあります。

 

Kanan:『MUTEKI』のデモは不思議な言葉の羅列みたいなので来たんですよ。それをきながら歌詞を書いているので、その印象を取っ払うのが大変だったんですよ。でも「フレシュなままで」という歌詞などは元々デモに入っていた森山のワードセンスの不思議な感じを残したほうがいいなと思って、あえて近い言葉を入れました。

 

森山:それは『衣』『食』『住』からの変化ですね。

 

 

■このアルバムはどう楽しんでほしいですか?

Kanan:く人によって受け取る部分が違うだろうなと想像した上で、生活していく上で明るいことばかりではないし、自分個人での生活単位での視点と社会や世界情勢とか広い視点で見た時の努力の仕方にギャップがあるなと個人的にはすごく思っていて、詞を書く時に個人単位での苦悩とか葛藤とか努力みたいなものと世界で起こっていることの矛盾とか距離があることを距離はあるままで受け入れる姿勢で書いているので、その距離感や完璧ではないことに悩んだり、少し前の自分と今の自分を比べて葛藤がある人はこのアルバムをいて何かのとっかかりになってくれればいいなと思います。

 

森山:・・・という重たいメッセージもあるのですが、音楽としては今回勢いがあるものを作ったので、一旦“クスっ”と笑って聞いてくれたらと思っています。

 

Kanan:そうですね。曲の力があるので苦悩や葛藤を言えるので、そこを重く受け取りすぎないでほしいという気持ちもあります。日常とどう共存させていいのかと思う部分があるので曲としての耳馴染みが良くて何度も聞くことで入ってくる歌詞など、いろんな聞き方をしてくれればいいなと思います。

 

■5/18には初のワンマンライブを控えておりますが、どんなライブにしたいと思われて準備していますか?

森山;「monje公園」というテーマでやろうと思っていて、“みんなで公園に集まろうよ”というスタンスでありつつこだわりの音を聞いてもらうということを念頭にしています。僕たちは音楽以外のこともすごく楽しく表現できるタイプなので、単純に音楽のライブを聞きにくるだけでなくて装置をや仕掛けを置いていろんな方向から楽しんでもらえるライブにしたいと思っています。

 

kanan:今森山が言った様に“みんなで公園に集まろうぜ”とみたいな姿勢でやろうかなと思っています。それは私が他のアーティストさんのライブに行くのが好きですごく魅力を感じているんですが、そのアーティストをよく知らない場合は少し行きづらいと思うところもあるし、友達に誘われて行く場合は少し予習が必要なところを少しでも崩していけたらと思っていて、めてても頭から最後まで納得感があるようにできたらなと思っています。あと藝大とか現代アートという言葉はもちろんそれ自体は良いものではあるんですけど、そういう言葉がついた瞬間にすごく距離を置かれてしまう経験がmonjeの活動以外にも良くあったしライブ自体も行きづらさがあると思うんですけど、子供の頃に何の目的もないのに「何時に公園集合ね!」ってとにかく集まることが大事的な考えがすごくいいなと思っているので、ぜひ公園に集合するような感覚で楽しんでもらえたらと思います。ライブのテーマ曲も今絶賛作っていてまだネリネリしていますが、遊びに対する思いが伝わると思うのでぜひそちらも楽しみにしてほしいです。

 

 

<インフォメーション>

■リリース

2ndコンセプト配信FP『遊歩道』

2024.4.17(wed)リリース

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

M1.MUTEKI

M2.瞳

M3.きれい

リンクファイヤ:https://ssm.lnk.to/YUHODO

 

■『MUTEKI』MV

 

■ライブ

monje 1st ワンマンライブ

「monje 第公園」

日程:2024年5月18日(土) OPEN 18:00/START 19:00

会場:Music Hall&Bar BAROOM

 

<プロフィール>

monje(モンジュ)

独自のグルーヴで空間を彩るボーカル&作詞担当のKananとmonjeの「遊び心」ある全楽曲の作詞とアレンジを担当する森山瞬からなる東京藝大発のクリエイティブチーム。

2022年8月SDR内クリエイティブレーベル「MeMe Meets」より配信SG『Sangría』でデビュー。

2023年2月にリリースした『madobe』がJ-WAVE『SONAR TRAX』3月期ピックアップに選出、また『TOKIO HOT 100』では4位を獲得!同年9月、満を持して初のタイアップ曲『Fragrance』を配信リリース。

2023年にリリースしたコンセプトEP『衣食住』の次は『遊』に繋がる3曲入りEP『遊歩道』を4月17日に配信リリース!

5月18日には、初のワンマンとなる『monje 第1公園』の開催が控えている。

 

Kanan

ボーカル / 作詞担当
スペインとブラジルに留学後日本に帰国し、藝大に入学
研究テーマは「身体の在り処」

 

森山瞬 – Shun Moriyama

作曲 / アレンジ担当
monje
の全楽曲の作曲・アレンジを担当
東京藝術大学 音楽環境創造科卒業