ニュース
武市尚士

【武市尚士インタビュー】映画『君の顔では泣けない』で水村まなみの高校生時代を演じる

ある日突然、誰かの体と入れ替わってしまう──数々の名作を世に送り出してきた“入れ替わりもの”。お互いの人生を生きることの違和感から起こる様々なエピソードに、15年も入れ替わったままという独自の設定が加わり、自らの人生を手離す切なさが加速する全く新しい人気小説『君の顔では泣けない』が実写映画化。水村まなみの高校生時代を演じる武市尚士(タケイチナオ)に演じるのが難しかったところや撮影中で印象に残っている言葉などを聞いた。

 

■この世界に入ったきっかけを教えてください!

小学生の頃からアイドルが好きで、そのときによく見ていた『MUSIC STATIION』に出演されていたKing & Princeさんのパフォーマンスを見て「芸能に興味あるかも」って思って、中学1年生の頃に事務所を探しました。名古屋在住なので名古屋を関連付けて探していたら『ICEx(アイス)』のメンバーとして活動している中村旺太郎くんのSNSがヒットして「こんなにかっこいい人がいるんだ、気になるぞ」って思って、同じ事務所のスターダストプロモーションに入って活動を始めました。母親も昔芸能の仕事に興味があったみたいなんですけど、叶わなかったので応援してくれました。家族みんなイケイケドンドンでした(笑)

 

■自分の性格を一言で言うと…。

“自由”です。「これをやりたい」を忠実に楽しんでいます。僕は末っ子で5歳差の兄と7歳差の姉がいるんですけど、兄弟の年が離れているから、やりたいことをなんでもやらせてくれる環境なので自由にやっています。姉はいろいろなところに連れて行ってくれたり服を買ってくれて、兄は勉強がすごく良くできるので教えてくれたり、ゲームを一緒にしてくれます。

 

 

■今、一番幸せな時間はどんなときですか?

EBiDAN NAGOYAとしてグループ活動もしているのですが、ライブをやっている時が一番幸せです。お芝居はまだ始めたばかりで勉強している最中なので、楽しいですがまだまだ難しいところが多くて。ライブが一番身近に感じてお客さんの生のリアクションが見られたり、直接声が聞こえるのが嬉しいし、成長していることを感じられるところが好きです。

 

■憧れの俳優さんはいらっしゃいますか?

MiLKの佐野勇斗さんです。アイドルと俳優を両立しているところがすごいなと思います。最近、劇場版『TOKYO MER』を見にいったのですが、ライブのときはめちゃくちゃ楽しくしているのに、演技の世界に入ると豹変して別人になるのがすごく好きで、僕もそういう風になりたいです。

 

■今後演じてみたい役や挑戦してみたい仕事はありますか?

今まで反抗期がなかったので、自分とは全く違う悪い役や、やんちゃな役を演じてみたいです。

 

 

■映画『君の顔では泣けない』への出演が決まったときはいかがでしたか?

合格はライブの後にマネージャーさんに呼び出され、サプライズで渡された手紙で知りました。ライブの後だったので怒られるのかなと思っていたんですが、手紙を読んでいったら「合格しました」と書いてあって、びっくりが大きくて動揺しました。そして徐々にうれしさが込み上げてきて、最後はジャンプして喜びました。初めての芝居のオーディションだったので「大丈夫かな」と心配でもあったんですけど、すごく嬉しかったです。家族がその日に呼び出されたことを知っていたのでメールで「どうだったの?」と連絡があったんですけど、あえて返事はせずに家に帰りました。帰ったら「メール無視したでしょ?」と言われて「僕は水村まなみ役を演じる武市尚士です」と伝えて自慢しました。家族もすごく喜んでくれたんですけど「だったら先に連絡しなさい」と怒られました(笑)。

 

■ニュースで発表されてから映画出演を知った友達の反応はいかがでしたか?

最初はみんな「入れ違った役を尚士が演じるの?」と驚いていました。難しい役なので自分自身も最初は演じられるか不安だったんですけど、周りからも「演じるのって難しくない?」って言われて同じ気持ちなんだなと思いました。でも頑張って演じたので「映画見てね!」ってしっかり宣伝したら、みんなも「公開されるのが楽しみ。絶対観に行くね」って言ってくれて公開されるのが楽しみです。

 

■水村まなみを演じる上で意識して演じた部分はありますか?

監督から「まなみと(坂平)陸が入れ替わったから女性として意識して演じるのではなく、まなみはまなみとして演じてほしい」と言われたことがすごく印象深く残りました。台本を読んできっとまなみより陸の方が動揺が大きいんじゃないかなと感じていたので、女性らしい仕草を意識するのではなく「まなみなら陸のためにどうするだろう?」ということを意識して演じました。

 

 

■一番大変だったシーンや特に考えて演じたシーンはありますか?

最初にまなみと陸が会う喫茶店「異邦人」のシーンはオーディションの時も台本でいただいて演じたシーンだし、リハーサルでもずっと練習していたのですごく思い入れのあるシーンです。監督からは「初めて会うシーンだから2人ともすごく動揺しているんだけど、その中でまなみの方が若干余裕があるので焦っている陸を見て、陸が安心するにはどういう風にすればいいのかを考えて演じてほしい」と言われて、動揺している中でどれくらい気遣いを見せるように演じればいいのか調整がすごく難しくて「僕のまなみの認識はこれくらいなんですが合っていますか?」と監督と何度も相談しながら、時間をかけていろんなアプローチをして何回も撮影しました。

 

■撮影現場で特に印象に残っていることはありますか?言われて印象に残っている言葉などがあったら教えてください。

重複してしまいますが、監督から「まなみとして演じてください」と言われたのが印象に残っていて、より意識して演じました。あと陸を演じる芳根(京子)さんが、リハーサルや撮影現場に来てくださってたくさんアドバイスをくださいました。その中で「小さいところから始めてどんどん大きくしていくのではなく、MAXで演じてみて監督さんに下げてもらうほうが演じやすいと思うよ」と教えていただいて、自分の感情をMAXにして演じてみたらうまく演じることができるようになって、その日から『MAX』という言葉を大事に演じるようになりました。とても勉強になりました。

 

■本作が初めてのお芝居の仕事だったとのことですが、経験して自分の成長を感じたところはありますか?

初めての演技の仕事が入れ替わりのお芝居だったので、まなみの心情だけでなく陸としての立場で「まなみの発言は本当に思っていることなのか、それとも実は思っていなくて言葉にしてしまっていることなのか」を考えて演じるようにしたら物語の内容がすごく入ってくるようになりました。それ以降の仕事の時も演じる人物の心の中を考えて演じるようにしたら奥が深い芝居ができるようになった気がします。

 

 

■自分が演じた高校生以降のまなみや陸のお芝居を見ていかがでしたか?

映画で描かれているのは高校生から30歳までの切り取られている人生なのですが、芳根さんや髙橋(海人)さんが入れ替わった陸とまなみとして他人と接しているときと2人だけでいるときに元の自分に戻るシーンの演じ分けがすごいなと思いました。1つの役なのに2人の人格を演じるのはすごいですし、15年間の慣れというか自然な感じがとても感じられて本当に感動しました。

 

■映画のオーディションを受ける前から『君の顔では泣けない』を読まれていたとのことですが、どんなきっかけで知られたのですか?

学校で小説を読む時間があって、ただ小説を読むだけだと集中できないので自分が体験しないような作品を読んでみたいと思って本屋さんで作品を探していたら入れ替わりものの作品の中に『君の顔では泣けない』を見つけました。あらすじを読んだら入れ替わりものだけど15年間元に戻っていないというところに惹かれました。ちょうど読み終わった後くらいに映画のオーディションの話を頂いて運命を感じました。

 

■もし自分が他人の人生と入れ替わるとしたら、誰と入れ替わってみたいなと思いますか?

僕のなりたい役者像が「いろんな役を演じられる役者になりたい」なので、一人の人生よりいろいろな人生を体験したいです。めちゃくちゃアイドルをされている佐野勇斗さんやダンスの上手い髙橋海人さんにもなってみたいし、タクシードライバーや会社員など、自分が普段感じることができない視点も見てみたいです。でも僕は自分の人生が好きで自由に生きている感じが楽しいし、もし他人の人生と入れ替わっても陸のように迷って決断できないタイプだと思うので、入れ替わるのは怖いという気持ちの方が強いかもしれないです。

 

■最後に『君の顔では泣けない』の見どころを教えてください!

まなみが陸に行きたい大学の話をするシーンがあるんですけど、自分のやりたいことをやる生き方と入れ替わる前のまなみが歩もうとしていた人生を尊重する生き方をするのはどちらが正しいかどうか葛藤し、大きな決断をするシーンです。すごく難しかったんですけど、いろいろ考えて演じたのでぜひ見てほしいです。あと自分のシーンではないんですけど、陸の父親のお葬式の後にまなみと陸が坂平家に行くシーンは特に悲しくて心に残っているシーンなのでぜひ注目してほしいです。

 

 

 

<作品紹介>

映画『君の顔では泣けない』

2025年1114日(金)公開

 

<あらすじ>

高校1年生の夏、坂平陸と水村まなみは、プールに一緒に落ちた翌朝、体が入れ替わってしまう。必ず元に戻ると信じ、家族にも秘密にすると決めた二人。だが、坂平陸としてそつなく生きるまなみとは異なり、陸はうまく水村まなみになりきれず戸惑ううちに時が流れていく。 もう元には戻れないのだろうか。自分として生きることを諦め、新たな人生を歩み出すべきか ――。迷いを抱えながらも二人は、さまざまな人生の転機を経験していく。しかし、入れ替わったまま15年が過ぎた30歳の夏、まなみは「元に戻る方法がわかったかも」と陸に告げる…。
もう元には戻れないのだろうか。自分として生きることを諦め、新たな人生を歩み出すべきか ――。迷いを抱えながらも二人は、さまざまな人生の転機を経験していく。しかし、入れ替わったまま15年が過ぎた30歳の夏、まなみは「元に戻る方法がわかったかも」と陸に告げる

 

<プロフィール>

武市尚士(タケイチナオ)

2010年38日、愛知県出身

新人&若手俳優集団「恵比寿学園男子部 ”EBiDAN”」研究生・EBiDAN NEXT NAGOYAとして活動中。配信シングル「Dynamic!!」(EBiDAN NAGOYA)が現在配信中!