片桐はいり 「第六十回紀伊国屋演劇賞」贈呈式


片桐はいりが『第六十回紀伊国屋演劇賞』の個人賞を受賞し、1月23日に行われた贈呈式に出席した。
『紀伊國屋演劇賞』は、紀伊國屋ホールと紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAを運営する紀伊國屋書店が1966年に創設した演劇賞で、片桐は昨年10月に上演された舞台「誠實浴池 せいじつよくじょう」と、同11月に上演された音楽劇「彼方の島たちの話」での演技が評価され、個人賞を受賞した。
授賞式に登壇した片桐は「私は18歳で下北沢の” ザ・スズナリ(=下北沢にある小劇場)“に出てから45年になるんですけど、これまで賞というものをいただいたことがなくて。いただいたことがないという自覚もなく、演劇にどういう賞があるのかも実はよくわかっていなくて。(紀伊国屋演劇賞受賞の)お電話をいただいたときに”それはどういった賞ですか“というような失礼な状態だったんですけど。まあ逆に言えば褒められもしないのによく45年もやったな、褒められなかった日々愛しいなと思ってしまいました。
評価をしていただいた「誠實浴池 せいじつよくじょう」は台湾と日本の合作で2024年に台湾で上演したんですけど、台湾では若い方がたくさん来てくださり盛り上がってくださいました。その演劇を東京で公演したら、(若いお客さんは少なく)私たちと同世代の方が多く来てくださりました。
(もうひとつの)「彼方の島たちの話」は、若い俳優たちと一緒にやりたいなと思って出演したんですが、今の若い俳優たちはすごいと思いました。人間の性能が上がっているといいますか。私たちが演劇を始めたころと全然違って、今の若い俳優は何でもできる。セリフもすぐ覚えられるし、踊りも歌もできていろんなことを軽々とやっている。(一方で)そんなに若い方が演劇を観にいらっしゃらないとう現実があって。何とかならないのかな、若い方も演劇を観に来てくれないかなと思う最近なんです。ではそうした中でなぜ私が賞をいただけたのかを考えたときに、やっぱり少し昔の俳優が愛おしいなと思ってくださる方がいらっしゃったのかなと。いま映画館もデジタルの時代になりまして35ミリフィルムの映写機などもどんどん撤去されていますけど、逆にいま映写機がある劇場に若い人が集まっているみたいな。フィルムで観たいという若い人もいるという現象があるとしたならば、(私みたいな昔ながらの)ポンコツでも面白い俳優がいるなら観たいと思ってくれる人がもっと増えたらいいなと、この賞をいただいて思いました。(若い俳優のなかで)間違えるのは私だけだったし、台本にないことを言いだしたりするのも私だけだったんです。でも、そういう俳優でも(賞を)いただけるということは、 “ポンコツ頑張れ” っていうことなんだろうなと思って、そういう気持ちでいただきました。まだもう少し面白いこともできそうな気がしますので、今後ともよろしくお願いします。」と謙遜を交えながら受賞の喜びを語っていた。