【上田悠斗インタビュー】劇場用実写映画『秒速5センチメートル』主人公・遠野貴樹の幼少期役として出演!

新海誠氏の劇場アニメーション『秒速5センチメートル』が新海誠作品では初の実写化映画化される。 “新海ワールドの原点”との呼び声も高い『秒速5センチメートル』は公開から18年たった今も日本のみならず世界中で愛されている不朽の名作。本作で主人公・遠野貴樹の幼少期を演じる上田悠斗はオーディションで同作の出演を勝ち取り、『秒速5センチメートル』が映画初出演となる。撮影エピソードやこの世界に入ったきっかけなどを聞いた。
■この世界に入ったきっかけを教えてください!
お母さんがアイドルを好きなのですが、一緒にテレビで見ていると、すごくニコニコになっているのを見て、僕も“見ている人を笑顔にしたいな”“もしネガティブなことを考えている人がいるなら希望の光を差し込める存在になりたいな”と思い、この世界に入りました。実際にスターダストに入って、EBiDAN NEXT NAGOYAのメンバーとして、たくさんのライブやイベントに出演して、笑顔になってくれる人をたくさん見ることができて、すごくやりがいを感じています。
■自分の性格を一言で言うと…。
“やんちゃ”、“元気”、“暴れん坊”ですね。周りからたくさん言われます。たまに元気がない時もありますが、その時はすごく可愛い妹がいるので、一緒に遊んでテンションを高めています。僕はすごく優しいお兄ちゃんだと思います。

■今、一番幸せな時間はどんなときですか?
ゲームをしている時です。自分の好きなことを好きなだけできる時間が幸せです。最近カラオケにも好きで、お母さんと一緒に行って、いろいろな歌を歌っています。もちろん先輩のEBiDANグループの曲も歌います!
■憧れの俳優はいらっしゃいますか?
事務所の先輩の板垣李光人さんにすごく憧れています。『フェルマーの料理』『どうする家康』など出演されていて、いろいろな役をやられていてすごいなと思っています。板垣さんが所属しているのでスターダストに入ろうと思いました。一度事務所で偶然お会いしたのですが、びっくりしてカッコ良すぎて緊張して何も話せませんでした。でも、いつか一緒にお芝居をしたいです。
■今後演じてみたい役や挑戦してみたい仕事はありますか?
まだ僕が小さいのですが(笑)、小さい頃に警察や医者になりたかったので、ドラマや映画などで役として演じてみたいです。

■映画『秒速5センチメートル』に出演が決まったときはいかがでしたか?
初めてオーディションを受けたのでわからないことが多かったんですけど、なんとなく手応えを感じていました。オーディションは最初1人で芝居をして、2回目は貴樹と明里を演じる人が何人かずついて、いろいろな組み合わせでお芝居をしました。合格を聞いた時は信じられなくて夢かなと思ったんですけど、少しずつ「自分が受かったんだ」という実感が出てきてワクワクしました。
■撮影前に奥山(由之)監督と何度もワークショップをされたとのことですが、いかがでしたか?
監督が「自然に演技をすること」をすごく大切にしていて、撮影前にたくさんワークショップを開いてくださいました。そこで明里役の白山乃愛さんと仲良くなることができたので、安心して撮影に臨むことができて、自然に演じられたと思います。

■作品の中で明里との距離感が良い感じで近づいていくのを感じましたが、演じる上で意識したことはありますか?
ワークショップのおかげで白山さんとはすごく仲良くなりましたが、最初はあえて距離感をとるようにしていて、後半になるにつれて仲良くなっていくのが見えるように演じることを心がけました。
■松村北斗さん演じる現在の貴樹と雰囲気が似ているように見えましたが、意識して演じられましたか?
大人の貴樹を松村さんが演じられることは知っていたのですが、特に大人の貴樹は意識しませんでした。でも松村さんの優しいところは意識したので、雰囲気が似ていると言われるのはすごく嬉しいです。
■撮影の中で印象に残ったシーン、大変だったシーンはありますか?
明里に会うために岩舟駅に向かう電車の中のシーンは、撮影時間が長くてずっと立っていたので大変でした。演じた時代は携帯電話がなく、待っている明里とも連絡つかなくて、さらに大雪の影響でなかなか岩舟駅に辿り着けなくて。それでも明里が待っていてくれると信じて向かうんですけど、監督が気持ちを4段階に分けて演じるようにアドバイスをくださったので、貴樹の気持ちの動きを理解して演じることができました。あと天体観測をするシーンはセリフが多かったし、長いセリフも多くて覚えるのが大変でした。小学生時代と中学生時代を演じ分けるため大人っぽい口調を意識したり、声を高くする部分と低くする部分を演じ分けるように努力しました。

■本作が初めての芝居の仕事だったとのことですが、この作品を経験して自分の成長を感じたところはありますか?
完成した作品を観せていただきましたが、すごく素敵で感動しました。自分のお芝居については、撮影の時は自分の中では“できているのかな”と思って不安でしたが、作品を観て、“もっとできたんじゃないかな”と思う気持ちもあります。この作品を経験して台本を覚えるスピードがめちゃくちゃ上がりました。お芝居もすごく楽しくて、お芝居にすごく興味を持ちました。この経験を今後の仕事に活かしていきたいです。
■周りの友達の反応はいかがでしたか?
情報解禁されるまでは、友達に『秒速5センチメートル』に出演していることを話すことができなかったんですけど、情報解禁の日の朝にワイドショーで僕が出演することが放送されて、学校に行ったら友達から「あれって本当?」って聞かれたんです。そうしたらその後、みんなが餌を求める鯉みたいにわーって集まってきて(笑)。みんなにもぜひ観てほしいですし、僕も映画館の大きなスクリーンで観たいです!
■最後に作品の見どころを教えてください!
大人の貴樹のシーンで、「人が一生のうちに出会う、約5万語以上の言葉の中で何を宇宙に残すのか」ということを科学館の館長・小川と貴樹が話をして、子供の頃のことを思い出すシーンはとても幻想的で素敵なシーンだったので、ぜひ注目して観てほしいです。

<作品紹介>
映画『秒速5センチメートル』
2025年10月10日(金)公開

松村北斗 高畑充希
森七菜 青木柚 木竜麻生 上田悠斗 白山乃愛
宮﨑あおい 吉岡秀隆
<あらすじ>
1991年、春。東京の小学校で出会った貴樹と明里は、互いの孤独にそっと手を差し伸べるようにして、少しずつ心を通わせていった。しかし、卒業と同時に、明里は引っ越してしまう。離れてからも、文通を重ねる二人。相手の言葉に触れるたび、たしかにつながっていると感じられた。
中学一年の冬。吹雪の夜、栃木・岩舟で再会を果たした二人は、雪の中に立つ一本の桜の木の下で、最後の約束を交わす。「2009年3月26日、またここで会おう」
時は流れ、2008年。東京で働く貴樹は、人と深く関わらず、閉じた日々を送っていた。30歳を前にして、自分の一部が、遠い時間に取り残されたままだと気づきはじめる。そんな時にふと胸に浮かぶのは、色褪せない風景と、約束の日の予感。
明里もまた、あの頃の想い出と共に、静かに日常を生きていた。
18年という時を、異なる速さで歩んだ二人が、ひとつの記憶の場所へと向かっていく。交わらなかった運命の先に、二人を隔てる距離と時間に、今も静かに漂うあの時の言葉。――いつか、どこかで、あの人に届くことを願うように。大切な人との巡り合わせを描いた、淡く、静かな、約束の物語。
<プロフィール>
上田悠斗(ウエダハルト)
2013年11月13日、静岡出身
新人&若手俳優集団「恵比寿学園男子部 ”EBiDAN”」研究生・EBiDAN NEXT NAGOYAとして活動中。
映画『秒速5センチメートル』が俳優デビュー作となる。